三味線の演奏は着物…とは限らない!
こんにちは、花枝です。
私は三味線の演奏で仕事を受けることが多いのですが、その時に大切にしているのは「衣装」です。
もちろん「演奏曲目」や「構成」も大切なのですが、人はやはり目で見るものに興味を惹かれることが多いものです。
今回は三味線の仕事の時の「衣装」の話です。
演奏の時の衣装、基本の形は「着物」
「三味線の演奏をする時は、どのような衣装でするのだろうか?」
と、想像した時、恐らく皆さんのイメージでは
着物
がダントツに多いと思います。
先日もアップした記事で私は着物を着ておりましたので、印象に残られているかもしれません。
その通り!衣装はダントツで着物が多いです。もう9割の仕事は着物で受けるといっても過言ではありません。
演奏の仕事内容によって着物の種類も変えます
ほとんどが着物とはいえ、仕事内容によって着物の種類も少し変えています。
「黒紋付」で出るのは流派の演奏会と地方の仕事
まず、日本舞踊の生演奏の仕事。
これは地方(じかた)と呼ばれますが、これは正式な装いで出ることが多いです。結構間違って「ちほう」って読む方が多いのですが、これは「じかた」と呼びます。
これは「黒紋付」と呼ばれる、真っ黒の着物を着て出演します。両胸と背面には「紋」と呼ばれるマークが入っています。これは私がお習いしている流派の紋が入れられています。トレードマーク、のようなものと言えます。
他にも、流派の正式な演奏会もこの「黒紋付」を着て出演します。
これは厳格に決められたルールなので、言うてしまえばそれ以外の仕事はもっと割とラフな着物で出ることの方が多いのです。
座敷などに呼ばれた時は「色無地」か「訪問着」
座敷など、お客様からの距離が近い時は「色無地」(いろむじ)か「訪問着」(ほうもんぎ)を選びます。とはいえ、ほとんど「色無地」が多いですが。
「色無地」は先ほどの「黒紋付」の紋が、背面に一つだけになり、色も黒ではなくピンクだったり緑だったりと、カラーバリエーションが選べるようになります。
外の演奏の時は状況に合わせて洗える着物も選択肢の中に
外での演奏(先日の桂浜など、そうですね)のばあいは、様々なアクシデントがつきものですので、状況に応じて洗える着物なども選択肢に入れています。
基本的には衣装は自分持ちですので、かかる負担をなるべく減らすことも考えなくてはいけません。
外国のお客様は「派手好み」?
普段は色無地や黒紋付を着ていることが多いのですが、外国のお客様が多い時には、あえて派手な柄や色使いのものも選んだりします。
これは外国のお客様の好みに合わせています。
普段の仕事ではあまり使わないようなパッと目を引く色だったり、柄も日本らしい柄のものを選びます。
着物を着ない仕事もある
着物が9割と答えました通り、残り1割は着物を着ない仕事もあります。
それは、高知県が誇る全国区のお祭り「よさこい祭り」です。
よさこい祭りの仕事に関しては別途記事にしますが、よさこい祭りの場合はチームによって決められた衣装がありますので、その衣装を着て出ることが多いです。
着物ベースの衣装が多いので、着物っぽい衣装が多いのですが。
寿司職人の姿やドレスで弾いたこともあった
これは番外編ですが!
アメリカではドレスで三味線を弾いたことがあったり、寿司職人の姿で三味線を弾いたこともありました。
ドレスはその当時働いていた会社のクリスマスパーティーの余興で三味線を弾いた時のことですが、ドレスで出席していたのでそのままドレスで弾きました。
寿司職人は、寿司職人の仕事で行ったついでに三味線を弾くことも一緒に依頼されており、着替える時間がなくてそのまま寿司職人姿で弾きました。
どちらもなかなか日本では経験できないことでしたので、私としてはとても楽しかったです。
これからも色々な衣装にも挑戦してみたい
三味線は弾く姿も含めて「見て」もらうものだと思っていますので、様々な衣装で演奏してみたいと思っています。
三味線=着物
ではなく、もしかしたらもっと面白い組み合わせもあるかもしれないなー、と考えています。
ゾンビ好きの私としていつかやってみたいのは、ゾンビの姿で三味線を弾くことなんですけどね!
皆さんも何かアイデアがあれば、ぜひ教えてください!