小津安二郎「浮草」を観ました
こんにちは、花枝です。
最近気の会う友人と、夜な夜な「昭和映画ナイト」と称して映画を楽しんでいます。
今回は友人のお勧めで、小津安二郎の「浮草」を見ました。
船でやってきた旅芸人の物語
旅回りの一座を乗せた船が港へー…
というシーンから物語は始まります。
座長が旅回りの途中でもうけた子供の顔を見に、わざわざこの町に寄った…
ところまでは良かったのですが、座長の今の奥さんとなっているおかみさんの嫉妬を買ってしまい、一悶着が起こるというストーリーです。
小津映画なので女性同士の取っ組み合いもないですし、基本的にはのんびりゆったり話が進んでいきます。
「南国土佐を後にして」がヘビロテ
旅芸人が町につき、興行の宣伝のために町を練り歩くシーンに使われているのが
「南国土佐を後にして」!
舞台は高知ではないので、この時代に流行っていた流行歌を演奏しているのだと思います。
作中では何度かこの「南国土佐を後にして」が流れます。
舞台の出し物では、はりまや橋の悲恋物語に沿った舞踊の演目(とはいっても、おチャラけ可愛らしくなっているのですが)も上演しています。
お馬は綺麗な大人の女性なのですが、純信は子供が演じていて、可愛らしい小坊主なのです。
「旅芸人あるある」が散りばめられている
友人とも話していましたが、この映画を旅芸人の人が観たらきっと
「うわー、これ!あるあるだわー!」
と思うところがたくさんあるんじゃないかと思います。
- 旅回り先で恋人を作る
- 子供まで作っちゃう
- 座長がいきなり新しい女を連れてくる
- その女を「女将さん」と呼ばなくちゃいけない
- 夜逃げで一座が解散しちゃう
などなど…
ぜひ旅芸人の経験のある方のコメントを聞かせていただきたいところです。
赤が印象的な映画
作中では「赤色」が印象的に使われています。
オープニングのスタッフロールからもすでに赤が使われており、赤がこの作品のテーマカラーなのが伺えます。
かといって、赤が前面に出ているわけではないところに小津映画の品の良さを感じます。
浴衣のバリエーションの豊富さに福眼
私と一緒に見ていた友人は、私の数少ない和装友達です。
なので、作中の衣装を見るのも楽しみの一つであります。
この作品は舞台が夏なので、浴衣のバリエーションの多さがとても楽しいです!
浴衣の柄は
- 花
- イチョウ
- 楓
- 柳
- よくわからない牛柄のような黒い斑点…
とくにイチョウの柄の浴衣が可愛らしかったです。
そして、浴衣の着こなしがなんとも粋。襟のくりかたが黄金比かと思うような完璧さです。しかも、完璧さを感じるのにお固くない…
こんな着こなしをしてみたいものです。
ちなみに、有名な雨の中の罵り合いのシーンは中村鴈治郎と京マチ子の関西弁が完璧すぎて…。さすがお二人とも関西出身でいらっしゃる。
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