今年も外国語指導助手の方々に三味線を体験して頂きました
こんにちは、花枝です。
先日、高知県に住まれている外国語指導助手の方々に三味線の体験をしてもらいました。
- 去年(2017年)から引き続き
- 高知県に住む外国語指導助手の方々のご紹介
- 日本伝統文化の体験レッスン
- 改訂した英語のテキスト
- 授業内容は「初めて」から「よさこい鳴子踊り」まで
- 今回新たに追加した「三味線の構造」
- 犬猫の皮は残酷?これからの三味線はどう対応できるか?
- 生徒さんからの質問や意見
- 来年はどうなる?できれば来年も!
- 関連記事
去年(2017年)から引き続き
ありがたいことに、去年の今頃もこのお仕事をお受けすることができておりました。
引き続きお声がけいただけることは、大変ありがたいことですね。
高知県に住む外国語指導助手の方々のご紹介
外国語指導助手
…と書くと、なかなか難しそうな印象を受けますが通称「ALT」と呼んでいます。
1987年以降に小〜中学生時代を過ごされた方なら
「ああ〜、英語の授業ん時にいた外国人の先生のことか〜!」
と、お分かりになるかもしれません。
ALTとは
Assistant Langage Teacher
の略です。
高知県には約100名ほどのALTの方々がいらっしゃいます。
年に何度か研修を受けているのですが、毎年12月は「伝統文化体験研修」という研修があり、その体験コースの一つとして三味線が体験できるようになっています。
日本伝統文化の体験レッスン
三味線以外の体験レッスンコースは、年度によって違いはありますが
- 生け花
- 習字
- ちぎり絵
- 和太鼓
- よさこい鳴子踊り
などもやっています。
このALTの皆様に三味線を教えるコースは、昔からあったわけではありません。
(私が知る以前や、ずっと昔にはあったのかもしれませんが…)
私が初めてALTの皆様に三味線を教えるようになったのが2011年ごろのことだったと思います。
その時に、以前より親交のあった国際交流団体の方から依頼を受け、初めて(?)三味線コースを設置し、教えに行くようになりました。
改訂した英語のテキスト
この体験事業では、毎年テキストを用意しています。
ジャジャーン!
イラストたっぷりの英語のテキストです。
これは10月にドイツへ遠征演奏に行った折、販売&配布していたテキストから転用しました。
授業内容は「初めて」から「よさこい鳴子踊り」まで
生徒さんたちはもちろん初めての方ばかりです。三味線に触れるのもみるのも初めてという方がほとんどです。ワクワクしますね!
というわけで、授業内容は
- Shamisen History
- Shamisen Materials
- How to make Shamisen sound
- Let's play "YOSAKOI" with dance team!
という、大きく分けて4つの項目立てをして教えていくことにしました。
最終的なゴールは「よさこい鳴子踊り」を簡易バージョンで演奏できるようになって、よさこいダンスの体験レッスンをしているみなさんと一緒にコラボする、というゴールです。
今回新たに追加した「三味線の構造」
今までは結構飛ばし気味な講義で、三味線の楽器について深く抗議することはなかったのですが、今回から
三味線の構造
についても少し時間を余分にとって講義しました。
具体的には三味線の胴部分の皮の素材を
- 猫
- 犬
- 合皮
の3種類で比べてもらったり、実際に三味線の分解を見てもらったりと行った内容でした。
犬猫の皮は残酷?これからの三味線はどう対応できるか?
上記のように「三味線の構造」について知ってもらうコーナーを思いついたのは、去年の参加者の皆さんのご意見をいただいてからです。
生徒さんからの質問や意見
三味線には犬や猫の皮を使っていますし、撥は象牙の撥を使ったりもしています。
もちろん体験の時にはプラスティックの撥を代用したり、合成皮の三味線を使ったりしますが、素材の話になるとそこは避けては通れない話です。
その話をする時に
「犬や猫の皮を使うのは、残酷ですね。」
「象牙を撥に使っていいのですか?」
という質問や意見も出ます。
(去年の記事から引用)
やはり犬猫の皮は残酷だと思われてしまいますが、だからと言って否定するわけにもいきません。
大切なのは、これまでの犬猫の皮を使っていた歴史を踏まえ、これからの三味線が技術や革新を使って”どう”変わっていくか?というところだと思います。
なので、実際に構造を深く知ってもらい、なぜ犬猫の皮でなければいけなかったのかの背景や、近年の技術の進歩のおかげで合皮という選択肢もあるという話まで、深く知ってもらえたと思います。
来年はどうなる?できれば来年も!
去年の意見も反映させながら、今年も多方面の切り口から三味線を知ってもらえたと思います。
「三味線の体験ができる」
というのは大前提なのですが、それ以上にもっと深く知ってもらったり、参加者の皆さんの知っている楽器との類似性を感じてもらったりするのも一つの”異文化交流”なのだと思います。
貴重な体験をさせて頂きました。
関連記事
★去年の様子
★犬猫の皮、象牙のバチについての考え