花枝の三味線ブログ

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頑張っているからといって報われるわけではない【ブリジットジョーンズの日記3・感想】

映画「ブリジット・ジョーンズの日記3」を観てきた。

1が好きで、2はまあまあ。

コリン・ファース見たさに行ったようなものだった。

 

 

大ヒットラブコメの待望の続編…

主人公ブリジットを演じるのは「シカゴ」でお馴染みのレニー・セレウィガー。

ブリジットはイギリスの女版”うっかり八兵衛”(わからなければ、水戸黄門を見よう!)のような女性で、仕事でポカする、酒は飲む、ぽっちゃり体型で、お世辞にも美人とは言えず、余計な一言があって、ただし愛嬌はあって友人には恵まれている。

 

1では垂れ目の権化とも言えるヒュー・グラント演じるだらしない(女関係においてはという意味)男に引っかかったものの、コリン・ファース演じるマークと最終的にスッタモンダで結ばれた。

 

当時の映画評価としては

「等身大の女性を描いたハートフルラブコメディ」

といった評価で、「メグ・ライアンだけがラブコメの女王とは言わせねえよ!!」と世間に見せつけたような映画だった。

 

初代から早くも15年、ストーリーはというと…

1から約15年の歳月を経て、この3が公開された。前作からは11年経過というから驚きだ!

 

内容をかいつまんで話すと・・・

43歳になったブリジットはせっかく1で結ばれたマークと別れており、相変わらず誕生日を一人で祝うような女だった。

ところが、どういうわけかイケメンの大富豪と恋に落ち、元彼のマークとも最接近…と思ったら妊娠しちゃった!あれ?どっちがお父さんか分からないよ??

 

…という内容だった。

えー?!お父さんわからんのかー!? 

 

ストーリー中の笑いのツボが凄まじい

ひとまず感想としては「ブリジットが幸せになってよかった!」のだが、序盤の下ネタの嵐はなんだ?!

アラフォーの女性ってこんなエゲツないこと話すのか?!これがイギリス流か??!!というのにビックリ!!

 

結婚すれば手に入るものもあるし、手放すものもある。結婚していないブリジットだって、「43にもなって独身だなんて、不安なの。」とはいうものの彼女が手に入れているものもあるのだ。

 

ただ、映画を見ている最中に思った。

「あ、この映画、きっと評価はあまり良くないだろうな…。」

案の定、映画のサントラを探していたら幾つかの映画レビューを目にすることになったので、気になったところから。

 

「なんでこんな魅力のない女がモテているのかがわからない!」 

「アラフォーがモテモテとか、こんなご都合主義のストーリ誰が喜ぶの?」

「吉田羊じゃあるまいに、なぜこの女がモテるのだ?」

 

と片付けられそうなぐらいスーパーご都合主義なのは百も承知だし、現実にはこんなこと起こりっこない!というのはおおむね同意だが、忘れてはいけないのが”魅力は相対的なもの”だということと、”頑張っているからといって報われるわけではない”の2点だ。

 

”魅力”という不思議なものは相対的なものであって、その人の欠点(と思われる部分)が魅力に映ることも大いにある。

「これこそが魅力的な女!」というものがモテれば誰もが納得ができるのかもしれないが、なんでこんなのが?と思う女がなぜかモテることもある。

そもそも、”これこそが魅力的な女”などという見本などこの世にはないと思うのだがどうだろうか?

 

シンプルな答えで、きっとブリジットはマーク(元彼)にとってもジャック(新彼)にとっても「足りない何かを埋めてくれる」女性だっただけ。

マークとジャックが必要とするものを、ブリジットが持っていただけだ。それだけだと思う。

その上で、マークとジャックがたまたまイイ男(と分類される男)だっただけじゃなかろうか?

 

頑張ってもどうしようもない部分がある。

この映画は不利と思われる状況でもなんだかで幸せになっていくブリジットの姿を通して、そんなことを教えてくれる。

そもそも

「頑張れば報われる」

という思考は日本の教育の”こうだったらいいな”という形であって、決してこの世の”正解”ではないのだから。

 

幸せそうに見えるブリジットも「運のロウソク」を使っている

 元々世の中は不平等に出来ている。

頑張っても報われないことが多いし、魅力的になったつもりでも全くモテない、それどころか変な男に付きまとわれるかもしれない。

適当に生きている人がトントン拍子に幸せになることもあるし、頑張っていても事故のように不幸にエンカウントすることもある。

世の中には自分の力が到底及ばぬところがたくさんあるんだと思う。

 

古典落語の「死神」という演目がある。

その中で死神は、人はそれぞれに持つ「運のロウソク」を使い果たすと人は死ぬ…。と話す。主人公の源兵衛を見て死神はこう言う。

 

「金持ちに生まれるときも…美男美女に生まれるときも…大きく運を使う…………その点お前はあまり運を使っていない…。」

ブリジットも多分どこかで運を使って、どこかで運を使わないでいる。

 

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