ものの価値は何で決まる?それは”誰か”が価値をつけるのだ
こんにちは、花枝です。
今日はちょっと見かけたニュースから思い出した話。
最近スティーブ・ジョブズの自伝映画を見たのですが…
ジョブズの言動だけ真似すると、最高に「クソヤローで嫌な奴」になると思いました!いや、みなさんもうお分かりだと思うのですけれど、あれはジョブズだから許されるのですよね!
さて、そんなジョブズですが、私もたまにはジョブズスタイルで過ごすわけです。
別に発想とか振舞い顔芸とかではなく、単に黒タートルにジーンズっていう、服装だけジョブズになってます。
そんなジョブズスタイルで、2年ほど前のことになりますが、中島誠之助さんのご講演に行きました。
ご長寿番組「開運!なんでも鑑定団」に欠かせない鑑定士であり、名台詞「い~い仕事してますねえ。」の江戸っ子の切れのいい語り口調の中島さんです。
お宝鑑定団も早くも23年のご長寿番組となりました。
中島さんはあの番組で「骨董品の価値感を変え、骨董品に対する一つの文化を作った。」そうです。
確かに古いものが出てくると、
「おっ!?これお値打ち品かも…?!なんでも鑑定団に出そうかな…??」
…と、ちょっと盛り上がりますよね。
昔北京へ旅行に行った時、ツアーガイドさんが故宮博物院(紫禁城)で「この玉座はレプリカですけど、お宝鑑定団に出したら500万円ぐらいは値が付きますね。」と言ってました。確かに、一つの「価値観」を作ってます。
そして中島さんが熱く語られたこと。
それは「感動」の上に「経験を積む」ことの大切さを説かれていました。
まずは感動する何かに触れなくちゃいけない。そこから経験を積むと、もっと感動できるようになる、そうすると、もっと経験を積みたくなる…
学びの良いスパイラルですよね。
とりわけ中でも印象的だった話が、中学生が九谷焼の骨董品の徳利を持ってきたという話。
中島さんの所に、骨董が趣味という中学生の男の子が、ある焼き物の徳利を持ってきたそうです。
「…君、いくらでこれ買ったの?」
と聞くと、その男の子は
「2000円で買った。」
と言うのです。
その徳利…実は九谷焼の徳利で相当の年代物。骨董市場では100万円で取引されるほどの、まさに「お宝」だったのです。
中島さんは
「これは10万円の値打ちがあるよ。いいもの見つけたね。」
と言って、徳利を彼に返しました。
中島さんは後にこう語ります。
「…私はあの時、徳利の価値を10分の1まで下げて伝えました。嘘をつきました。
でも、もしあの時あの少年に、これは100万円の値打ちがある!と正直に言うとどうなると思います?
…あの少年は、一生骨董屋に入り浸ることになります。
それじゃあ感動と経験の積み重ねはできない。骨董屋に行くだけじゃ、ダメなんです。もっと広い世界を見ないといけない。だから、私は嘘をついたんです。」
そんな中島さんのお話に感動した後、思いがけず花束贈呈要員になってしまい、黒タートルにジーンズという、とてつもなくカジュアルなジョブススタイルで中島さんに花束を渡しました…。
もっと「良い仕事してる」服を選べば良かった…。着物とか…他にあっただろうよ!!!
ちなみに”良い仕事”の条件は
- 他に真似できない
- 気合が入ってる
- 仕事が逃げてない
以上3点だそうです。
…ジョブズじゃん、それ!
…といふことを、このニュースを目にして思い出しました。↓
もちろん人間だから間違うこともあるのでしょうが、本物か偽物かは割ともう凡人にはわからない域ではないかと思うのです。
そんな凡人のような私達にも分かる唯一のわかりやすい答えが中島さんの「いい仕事してますねえ〜!」なんじゃないかと。
本物かどうかの薀蓄よりも、中島さんの「いい仕事してますねえ!」の一言に価値を見出している人もいるのではないですかね?
その他雑記
★旅立つときの三味線
★三味線の演奏で何着る?