いくらご長寿番組でも「テレフォン人生相談」はなくならない
友達(仮にA君とする)の話だ。
A君には2年ほど付き合っている遠距離恋愛中の彼女がいる。私がそのA君の彼女に少し顔が似ている、というところから話が始まった。
その彼女は極度の寂しがり屋(いわゆるかまってちゃん、だ)で、それでいてよくもまあ遠距離恋愛なんてできるなと驚いた。
ただA君が言うには「毎日こまめに連絡を取らないと大変。」なんだそうだ。付き合い始めた頃は同じ県に住んでいたが、今は離れたところにいる。彼女と一緒に遊びに行くのも3ヶ月に一度ほどなんだそうで、寂しがり屋の彼女もよく我慢をしていると思った。
そのA君は彼女に対してこう思っているそうな。
「少しは浮気をしてほしい。」
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意味がわからんのである。
え?どういうこと?
と問い詰めると、こうだよ。
「彼女は僕以外の人とあまり連絡を取らない。でも僕は彼女にもっと広い交友関係で楽しんでほしい。だから、僕一人に縛られずいろんな人と付き合ってほしい。自分は彼氏らしいことなんてちゃんとできてないから、浮気されても仕方ないという気持ちでいっぱい。だから、少しは浮気をしてほしいと思っている。てゆーか精神的に自立してほしい。」
…ええ〜と、全然意味が分かりません。でも新しい価値観と出会うのって、楽しいな☆
ちなみに彼女の方はもうA君と結婚したくてしょうがないんだそうだ。ただし彼女の両親は難色を示し、彼女の両親に一度は別れさせられた…
というカミングアウトまでA君はしてくれた。
A君はとても優しい性格だ。すこし女性っぽい趣味もあり、おしゃべりだ。おそらく彼女を冷たく突き放すことなんて、出来ないのだろう。
A君は彼女を愛しているのかもしれないが、彼女の心にうずくまる「庇護欲」を感じている。A君と彼女はいわゆる”対等”な関係ではない。だからA君は彼女に自立を熱望している。
A君は心のどこかで「彼女が浮気なんて出来ない」ことを分かっている。でも、口では「浮気してほしい。」と言う。自分は彼氏としての役割を果たせていない、だから浮気されても仕方がない、と言いながら、心のどこかで「そんな自分を裏切らない彼女」に依存している。
彼女が本当に浮気をしたら、A君は何と言うだろう。
彼女も彼女でA君に依存している。
彼女はA君に”結婚”という言葉でコーティングした”庇護”を求めているようにしか見えないからだ。
ざっくりとしか聞いてないので、なんとも言えない状況ではあるが、おそらくA君は彼女と結婚しないと思う。いや、結婚したらきっとお互いが辛くなるだろう。そしてその辛さの原因がモヤモヤと分からないまま年月を過ごすのだ。
そしてそういう夫婦のどちらかが、ある日電話をする。
ご長寿ラジオ番組、テレフォン人生相談へ。