黄色いTシャツの人々とジャスミンと屋台の香り
タイは私の好きな国の一つですが、そのタイで悲しいニュースが。
今頃タイは大騒ぎになっているとお察しします。
タイへ初めて行ったのは約10年前、当時プミポン国王は78歳頃であられた頃かなと思います。
初めてのタイは暑くて、眩しくて、町中で屋台のいい匂いがしていました。町の人々は月曜日になると黄色いTシャツを来て、どこの家にも国王と王妃のポスターが貼られていたことが非常に印象的でした。
プミポン国王に対する国民の敬意のほどは凄まじく、タイ国民でない私まで「プミポン国王の歴史」…のような本を読めもしないのに買いました。125バーツぐらいだったかな。それを今でも大切に持っているのですが、未だに読めておりません。
ですが、凛々しいお姿の写真は今でもお気に入りで、たまに見ています。
タイが私にとって「単なるいい思い出のある国」止まりではないのは、タイへ行った理由にあると思います。それは人生で初めての”家出”がタイだったからです。
三味線に向き合えず、かといって将来の展望も見えず、どうしていいか分からない状態で家出を決意。親にも何も言わないまま、飛行機に飛び乗りました。
深夜遅くにタイ国際空港に到着し、訳もわからぬままバスターミナルへ。高速バスで10時間、北の都チェンマイまで行きました。憔悴しきってゲストハウスのベッドへ倒れこみ、そのまま丸一日眠り、翌日信じられないほどの肌荒れに絶叫した…そんな始まりでした。
初めての一人旅でもあり、初めての家出でしたが、そんな私もタイの緩やかな空気が暖かく受け止めてくれているように感じました。
と、私のタイの思い出を語っても何もならないのですが、10年前の当時からすでにプミポン国王の容体は芳しくなく、国内ではクーデターもあり、熱心にお祈りする国民の姿もニュースなどで見かけました。
私はあの緩やかな空気と屋台の味、テキトーな人々にジャスミンの香り、タイポップのTattoo colourも自分好みだったし、何よりプミポン国王も含め、タイという国がとても好きだったのだと思います。