80歳になったら、何したい?
母が食事中に唐突に
「ねえねえ!80歳でバレーボールやってます!っていうのと、80歳で三味線やってます!っていうのだったら、やっぱりバレーボールの方がスゲエーーー!って思うよねえ??」
みたいなことを聞いてきた。
綺麗な日本語にしよう。
- 80歳でバレーボールが趣味の老人A
- 80歳で三味線が趣味の老人B
どちらの老人が賞賛を得られやすいだろうか?バレーボールだろう。
言ってみれば三味線は老後の趣味として”さもありなん”。意外性にも、チャレンジ精神にも欠ける。
…ということだろう。なにが聞きたいんだ?うちの母親は。
とはいえ、この質問、非常に私の”老後の三味線ライフ”に衝撃を与える質問でもあった。
確かに、80歳で三味線は違和感がない。似合いすぎる。似合いすぎるのだ。
私が今の年齢で「三味線をやってて一応プロです。」と言うのに価値があるという人もいる。若いのに三味線か!?そういうギャップが面白い!という人もいる。
実は私はかねてより、70か80ぐらいになったらスッパリ三味線をやめるというのもアリなのではないか…?と思っていた。
そうなった時、バレーボールをするのかというと、それは違うと思った。体育館から搬送されるわけにはいかない。
そこから家族の食卓の話題は「80歳になったら何したい?」という話になった。平和だろう。伊丹十三風に言うと「金のおにぎりをほおばる」ような時間だ。
そんな時、私の脳裏にふと20代のあの地獄の弟子入り時代の記憶が蘇った。当時私は何故かすげえ気持ち悪いロッキンポ女だった。ライブハウスでバイトし、インディーズのCDを片っ端から聴いて、ラモーンズのレコードを部屋に飾っていた。頭の中の妄想ではリッケンバッカー片手に「オソウシキ・オブ・ザ・デッド」というバンドを組んで、ライブパフォーマンスはキャベツの千切りを振り撒くのはどうか?とか考えていた。今思い出しても痛い。激痛だ。
よし、80歳になってまだ生きていたら、ロックバンドをやろう。